隙あらば晩夏の入りこむ日暮  久留島元
 柿二つ売れたら犬の目を買いに

その言葉を使う大義名分みたいなものを考えながら
句を書いている。
大義名分とは大風呂敷ではあるけれど
言葉の必然性が発見できるほうがいいとは思う。
たとえば、2句目。きっと其角?の
 鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春
このパロディーである。
しかし、パロディーを超えて
其角以上の俳句になっていると評価したい?
「柿二つ売れたら」は大義名分のある言葉だと
承認したいのだ!!
[PR]
by 08genki | 2015-05-26 14:49

 吾を覚ます水ひっそりろ涸れにけり  伊藤蕃果
 波音のしづかに団扇使ひけり

密やかな息遣いだけが聞こえてくる。
作品を読んでいて、最初は
作者は女性かと思った。
強さより静かさ、
鮮やかさより淡さみたいなものが漂い、
読む人の心を沈静化させてくれる・・・。
こんな靜かな世界、
あまり経験したことがない。
[PR]
by 08genki | 2015-05-26 14:43

 オクラオクラ俎上に生みしお星様  舩井春奈
 待ち人は来ず来ぬ来るか時鳥

変わったリズムを持った人だと思う。
1句目「オクラオクラ」と叫ばれると
呪文を欠けられたような気分に陥る。
しかし、後の展開から、その呪文は
ただの叫びであり、普通の日常の表現とわかる。
2句目の「来ず来ぬ来るか」も不思議な呪文。
この人は「呪文作家」?
[PR]
by 08genki | 2015-05-26 14:40

 風船の空のくぼみにはまりけり  羽田大佑
 新樹光亡き父のゐる履歴かな

ローストビーフ(俳号)さんがこんな立派なお名前の
持ち主とは、初めて知った。
句会でお見かけはするが、会話を交わしたことはない。
句会で作品を読んだことはあるが
まとまって作品を読んだのは今回が初めて。
この2句。安易に解釈できない難しさがある。
今度、そこを訊ねてみたい。
[PR]
by 08genki | 2015-05-25 10:36

 ふにふにの春は掌のうえに  河野祐子
 どこからもはみ出るレタスのふりふり

この人は優しいオノマトペが印象的。
日常の風景を思いがけなく飛躍させてくれる。
この2句も女性作家特有。
オノマトペが物語を紡いでいる。
書けないなあ、男どもには・・・。
[PR]
by 08genki | 2015-05-25 10:33

 定位置の屋台の定位置の山葵  若狭昭宏
 日本かぶれ西洋かぶれ油虫

距離感のいい取り合わせの作品だと思う。
ただ、読むとネタがすぐに見えてくる。
そういう書き方なのだろう。
個性の違いとか、俳句観の違いというような
片付け方はしたくない。逸材に思う。
[PR]
by 08genki | 2015-05-24 09:46

 無頼派はみんな妻帯冷や奴  塩見恵介
 ラムネ玉カチャリと樺美智子かな

1句目の発想が気に入ってしまいました。
本当の無頼派はもう出てこないでしょうね(笑)
2句目の「樺美智子」にびっくりしました。
60年の安保闘争、もう遠いあの日のこと・・・。
どう読んだらいいのだろう。
[PR]
by 08genki | 2015-05-19 12:16

 つばめ飛ぶ見える隠れるマチコさん  乗富あずさ
 レモンと僕乱暴だけど黄色い

とにかく意表を突かれる。
小さな意表なのだけれど、それが効いていて
読む方がうれしくなる。
この人、女性なのに「僕」が多い。
色が頻繁に出てくる。
「月」暦の月だけど、かなり使われる。
この人の作品はそんな意表に包まれている。
[PR]
by 08genki | 2015-05-16 19:37

 イタリアは落書の国カンナ咲く  森川大和
 初風やシスターの集合写真

1句目を読んだとき、笑ってしまった。
旅行の俳句だろうが、
決してそんな風に読んではいけない(笑)
イタリアの風刺なのだ・・!
2句目は新年の句。シスターが不釣り合いで
これも象徴なのだ。
面白い作品に会えて、ホント、楽しい。
(もちろん、他の読み方もあるだろう)
[PR]
by 08genki | 2015-05-15 11:25

 立夏なら五両目あたりに乗ってます  中谷仁美
 夏の日の文鎮となり象眠る

やっぱり読み方も面白い方がいい・・。
ということで、この2句。
「立夏」は人名でもあるのだ・・よね。
「となり」は「隣」でもあるのだ・・。
ひねくれ者が読むと俳句は楽しい。
なにせ、俳句は「ひねる」とときどき言われるから。
[PR]
by 08genki | 2015-05-14 15:35

一枚の写真、ひとつの言葉、それは記念写真のようなものだ。